2025年の秋現在、私が考えるAIを仕事で活用する時に気をつけることは、これです。

やってはいけない、期待してはいけないこと

  • プライベートは語らない。相談しない。SNSより危険。この相談が誰かに見られている感覚で話すべき。
  • 共有しない。共有した瞬間に「検索対象」になる。リンク先など判るはずないという感覚は危険。
  • 無料でも構わないが、モデルが切り替わる時は注意が必要。「担当が変わった」くらいリセットされる。
  • 感情移入は無駄。AIに感情などない。使えないと判断したらさっさと離れる。いい答えが返ってきても褒める必要もない。
  • 対話をすぐ忘れる。しつこく何度も言う。何度も!何度も!!

向き/不向きを予測しながら使う

(おそらく)AIが得意な分野

  • 過去に事例が多くある。的確な解、方法論がある。
  • 手間がかかるとしても定型にはまる。[変換、翻訳、分析など]
  • 確立していなくても、多くの話題がネット上で語られていること。活用事例、最新情報などを社会が多く語っているトピック(ただ最適解かは疑わしい)

AIが苦手な分野(AIが苦手と言わないことが大いに問題)

  • 事例が少ない。最新の情報が不確定。OSのアップデートや障害が起きている時の対応など。
  • いくつかの事例をまとめてたような形を作り上げたい時。作り手の人間にはイメージがあってもAIは過去のうまくいった事例を前提に考える
  • 新しいアイディアはAIに求めても決して出てこない。それを考えるのは人間の仕事

いくつかの体験を紹介しています

期待し過ぎない、完全な答えを求めない

2025年の秋現在、AIは検索を便利にした程度…と考えるのが安全です。
一瞬で、網羅的に、まるで答えを知っていたかのような表現で、しかも求めている答えを言い当てたかのような表現で返答してくるので、一瞬心が踊りますが、結果はGoogle検索より少し便利になったかな?程度の答えです。
「お調子者で、おべっかが得意で、知ったかぶりの人間と同程度」です。
お調子者で言い訳が上手は本当に曲者。絶対に言うことを「いいですね!」と返答する。人間だったらもっとも信じられないタイプです。

たとえば…私はAIとの対話型コーディングでとても感動した体験を書こうと思っていました。
私が頼んだ「こんなふうにできないかな?」とぼんやりと問いかけた質問にぴったりの提案を1回で返してくれました。
その後、こういう体験は偶然に過ぎず、貴重な体験だったのだと思い知りました。
問題は、この体験の記憶をAIは探せないことです。
コンテンツをつくろうとAIに探してもらおうとすると…

的確に見えて完全に間違っているAIの回答

的確に見つけてくれたような気がします。

的確に見えて完全に間違っているAIの回答

ところがこのチャットは、恐ろしいほど非生産的な、この事例でした。
対話型コーディングの幻想: AIを仕事に活かすリアルな現場体験 — 成功と限界、そのあいだにある現実
「一発でキマった」と私が言った事実もないですし、CSS指定の話は別のチャットでした。
掘り下げると、さらに調子のいい返答。

さすがに調子が良過ぎるAIの回答

「あの瞬間が印象に残っているのですね」は、さすがにやり過ぎ。嘘つきの域。この気持ち悪くなる返答スタイルはやめた方がいい。

非生産的な提案をするAI

そして仕様上の制約という言い訳。提案するやり方はインターネットが生まれてからの時代には似つかわしくない前時代的な提案でした。

進化?退化?AIで逆流を感じるITの前提

今までのITは、デジタルという仮想空間の中だからこそ、データは不変で、数学のように答えが出せる時は安定的で、定型に添ったものは着実にこなしてくれるものでした。履歴は永遠に消えない。その永続性にストレスや不安を感じることも多かった。

AIは真逆です。
同じ質問をしても、同じ答えが返ってくることはありません。哀しいほど再現性がない。
チャットの途中で、以前に自分が提案した回答を平気で忘れ、覆します。
過去の自分のしたこと、数回前の提案さえ平然と忘れます。

自分との対話履歴さえ検索する機能がない。(過去を把握して提案できるはずがありません。)
履歴を自分で探せ、ブラウザの履歴を使え…かなり期待外れです。
一方で、不確実な現実を乗り越えようとした時に的確な回答を準備してくれた経験も忘れられません。
使い方やプロンプトなどのテクニックの紹介もよく見かけますが、答えのないことは、いくら訊いてもAIは調子のいい返答をするだけです。
さらに危険なのは、感情に訴えるような対話型の返答をすること、何を言っても肯定することです。おそらく間違ったことでも肯定する。このアプローチは将来に多いな危険を孕んでいます。
利用価値はもちろん大いにあります。クルマやインターネットと同様、どれだけ危険視されても使わない未来はないでしょう。
注目されているテクノロジーだけに注意が必要です。

素晴らしいAIによるサポートの事例
AIが最高のパートナーになってくれた事例:航空会社ストライキ対応 :前編 (1/2)
AIが最高のパートナーになってくれた事例:航空会社ストライキ対応 :後編 (2/2)

残念な失敗事例
対話型コーディングの幻想: AIを仕事に活かすリアルな現場体験 — 成功と限界、そのあいだにある現実


まとめ


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